強がりなかぜくら弱虫なあたし

かぜくらの息抜き場

【小説】誰にも見えない2

朝が来た。

昨日、初めてお会いしたあの方と心ゆくまで踊って、それから私寝てしまったのね。

 

ベッドから起き、周りを見渡す。

あの方が見当たらない。

「どこに行かれたのかしら…」

 

朝ごはんの時間だ。

どうしたものか周りがザワザワと騒がしい。

気になり、部屋の外に出る。

 

「あの亡霊が出たって噂だぞ」

「そんなわけないだろ、幽霊なんて」

「だって召使いが見たって言ってたわよ」

「確かお嬢様と一緒に踊ってたとかな。召使いには見えなくてお嬢様が1人で回ったり浮いたりしてたそうだな」

 

バタン、と自分の部屋に隠れる。

見られていたの??

亡霊……??

違う、彼はそんなんじゃない……

 

コンコン

「は、はい……」

 

「私だ」

それは父の声だった。

「どうぞ」

 

昨日のことだわ。

目も合わせられない。

「昨晩はご苦労だった。長い夜だった。きっと疲れていたのだろう」

「はい…」

 

父は窓際にゆっくりと歩いていく。

顔も上げられず、足元だけを眺める。

 

「昨日、お前がひとりでいるところを召使いが見ている。パーティーを抜け出して何をしていたのだ?」

「昨日は……………」

あの方と踊っていた。

だけど、そんなことを父が信じるはずがない。

おかしなことをいうと、笑われてしまうかもしれない。

 

「覚えていません」

 

沈黙が流れる

 

「ほぉ、覚えてない…か。やはりあいつの仕業だな……」

「お父様、あいつって……??」

 

あいつ。

お父様はきっと何か知ってる。

あの方のこと。

 

「まぁいい……この話はまたしよう」

 

そう言い残し、父は部屋をあとにした。

「何だったんだろ…」

 

『おはよう』

 

「わっ!!!!」

『いい朝ですね』

「貴方……いつからここへ?」

『貴女が目を覚ます前からずっと。昨日の晩からそばにいましたよ』

「そうでしたの…ではさっきの会話も…」

『………。』

「お父様は何か知ってるようでしたわ」

『知ってしまったら、貴女は私を嫌いになるでしょう』

「嫌いになんてならないわ。貴方のこと…」

 

ゴーーーーンゴーーーーン

 

近くの教会の鐘がなった。

学校にいく準備をしなければならない。

舞踏会の次の日とはいえ、行かなければ。

『時間ですね』

「……また会えますか?」

『もちろん。貴女のさっきの言葉の続きを聞かせてください』

「……はい…」

 

耳元へあの方の口元が近づく。

『また今宵、お逢い出来ることを楽しみに待ってます』

 

自然と顔が暑くなった。

 

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放置してた

ぬぁぁぁ

だいぶ前に見た夢だから忘れたよね

『』