憧れ、コーヒー、ヘッドホン

理由なんてなかった。

ただただ、ひとりになる時間が欲しかった。

客が少ないこの店が、

少しぬるくなったこのコーヒーが

この気持ちを慰めてくれるかもしれない。

そう思ったら、自然と此処へ来てた。

前に一度、友達と来たことがあるこの店。

初めて、自分の好きな人を打ち明けた場所。

でも、今日はそんなこと、忘れたかった。

だって今は、もう…

『優しい雨なんて  いらないよ今は

   想いを流して  何もかも忘れられるように』

耳元のヘッドホンから流れる曲。

憧れのアーティストが情熱的に歌っている、失恋の曲。

「タイムリーだな」

ボソッと呟いた。

誰かの慰めの言葉なんて、要らない。

ただ、この想いを静かに消してくれる

何かが欲しかった。

目の前のコーヒーに波紋が広がる。

頬を濡らす正体も、もう分かってる。

「あぁ、わたし、好きだったんだな」

言えなかったこの言葉が

頭の中を駆け巡る。

『「愛してる」だけが  この胸の奥で

   激しく打ち響く  雷鳴のように』

ラストのサビに入る前のこの歌詞に深く共感しながら、コーヒーに手を伸ばす。

想いを流して、想いを消して。

「…あれ？」

わたしの横には、いつの間にか入れたてのコーヒーが置かれていた。

〜fin〜

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(´・ω・｀)ﾇｰﾝ

またなんかパッとしない終わり方で失礼(´º∀º｀)

失恋は悲しいよ、ほんと

静かに消してくれるものが

ほんとに欲しくなる

涙を流す女性を見た店員さんが

黙ってコーヒーを出す姿

かっこええですな。

慰めの言葉じゃない

静かな優しさ。

こういうの憧れるな。

コーヒー、飲めるようになりたいよー